Surface Goで論文読む環境を作った話
というわけで
論文等のPDFファイルに書き込み等を加えながら読める環境を作ったので、その紹介です。
ハード側の準備
iPadではなくSurface Goを選んだ理由は大体「余談」のとこに書いてあります。後、より性能の良いSurface Pro系列にしなかったのは、値段の問題と軽さです。
因みに、Surface Goにはコレより下位モデル(4GB/64GB)がありますが、メモリ4GBは心許無い(私がココで紹介するようなPDF編集を行ったりした状態でメモリは4GB弱消費されてる)のと、ストレージがSSDでなくeMMCになってしまって速度や寿命の面でも劣るので上位モデルを選択しました。
ソフト側の準備
- OneDrive
- Mendeley
- Drawboard PDF
を使います。OneDriveに関しては、Dropbox等ローカルと連携が取れるクラウドストレージなら代用が効くので、自分の慣れ親しんだモノを使うと良いと思います。
OneDrive
コレは、Surface Go以外からも書き込んだPDFファイルを見れるようにするために使います。
論文を探すだけの段階等では、家に置いてある画面の大きなPCで操作したいので、コレで連携を取ることにしました。
OneDrive上に論文PDFを投げ込む用のフォルダを作っておきましょう。OneDriveでやることは一先ずこれだけです。
Mendeley
Mendeleyは文献管理ソフトです。
www.mendeley.com
アカウントを作成(無料)しておきましょう。因みに、ライセンスを結んでいる大学に所属していれば、機関版(無料)に出来ます。東大であれば、学内からU-Tokyo Wifi等を使ってアクセスすると自動で機関版になります。*1
Mendeleyを使うことで、論文PDFを何も考えずに指定フォルダに放り込むだけで、自動で「タイトル」「著者名」「ジャーナル名」等の情報を見やすい形にまとめることが出来ます。論文を書く際には最後の引用文献リストもMendeleyで楽に作れるのですが、ALESSを済ませた私にはまだ数年関係のない話ですね。
DL
Mendeleyのデスクトップ版をSurface GoにDL、インストールしましょう。
設定
上部のタブから、
File → Watch Folders
と進み、先程OneDrive上に作ったフォルダを選択しましょう。これで、論文PDFをこのフォルダに投げ入れるだけで、Mendeleyが管理してくれるようになります。
ここで注意ですが、私のようにOneDrive上にPDFを保存する場合、Mendeleyのクラウド機能を使わないことになります。ですので、上記の設定画面でのタブ「Watched Folders」の横の「File Organizer」タブにある、「Organize my files」は使わない(チェックを外しておく)ようにしましょう。私はよく分からないままココでも先程のOneDrive上のフォルダを指定した結果、Mendeleyを開くたびにファイル名だけ違う同内容のPDFが二重に追加されて削除に追われるハメになりました。
Drawboard PDF
Drawboard PDFはPDF編集ソフトです。有料(私が購入したときは1150円)です。
www.microsoft.com
Surface Goに対応したPDF編集ソフトは無料でも沢山あるのですが、
- パームリジェクションが優秀
- ペンと指を完全に別物と認識し、ペンで書き込む操作と指で拡大縮小や移動する操作を即座に切り替えられる
ソフトが中々無いのが現状です。その点、Drawboard PDFは優秀なソフトです。
コレを使って、先程OneDriveで作ったフォルダ内の論文PDFファイルを編集していくことになります。
それでは、実際に読んでいる環境を見ていきましょう。
最近読んだ論文がこちら
An isolable iron(II) bis(supersilyl) complex as an effective catalyst for reduction reactions
なので、その画面になります。
まずは、(未だに英単語がわからん人間なので)英文に適宜訳語を付けながら読んでいる画面です。
(非オープンアクセスなのでAbstract以外は一先ずボカしときます)
こんな感じで、紙媒体と同じように扱えます。
ただ隙間に書き込むだけではなく、Drawboard PDFでは白紙ページを好きなところに挿入出来るので、関連事項を調べた際の情報を
のように記録しておくことも出来ます。
論文PDFファイルの開き方
OneDrive上に作っておいたフォルダを、ファイル選択画面でPinしておけば、PDFを開くまでの時間を短縮できるのでオススメです。
開いたら、後はSurface Penを使って好きなように書き込むなり何なりしましょう。
よく使うツールを横端のツールバーに登録できるので、多用するものは登録してしまいましょう。
ペン等は個々人で太さ等の好みがあるでしょうし割愛しますが、一つオススメしておきたいのは「文字選択ツール」です。コレだとペンで確実に欲しい部分(知らない単語)を選択出来て、そのまま コピー→Chromeで検索 をストレス無く行えます。
編集したPDFは勿論保存するわけですが、先述のMendeleyを開いたままだと干渉したりするので、読む際にはMendeleyは閉じておきましょう。
余談
「論文等のPDFファイルに書き込み等を加えながら読める環境」を作るだけなら、
の組み合わせのほうが安上がりで可能です。iPadで論文を読むアプリを探す旅 - トマシープが学ぶ等が参考になるかと思います。
この組み合わせにしなかった理由としては、
- 第1世代Apple Pencilを充電してると折っちゃいそう
- iPadでのファイル管理がよく分からない(某進iPad模試の景品で一台持っているが、保護のためか裏の設定ファイルとか触れなくて嫌いになった)
- ハードのキーボードを気楽に使いたい
- iPadはなんだかんだ言ってノートPCとしての役割は全く果たせない
- 結局、Apple社がそんなに好きではない
と、こんな感じになります。
その点、Surface Goなら
と、メリットが多いのでこちらを選択しました。
ただ、Surface GoはiPadと比べて電池の持ちが(体感)かなり悪いので、基本的に電力モードを「バッテリー節約機能」にしておいたほうが良いでしょう。OneDrive同期は適宜行えば十分です。