おうかのいんし

院進するサクラバクシンオー「インシンインシンインシーン!!」

というわけで - 或いは結果

以降は合格体験記の皮を被った落書き。

TOEFL iBT - 或いは英語至上主義のゴミカス

英語試験としてそういえばこんなのを予め受けさせられてましたね。詳しくは下に。
sgya-youtoo.hatenablog.com

院試対策 - 或いは夏休み

口述試験対策

試験の日程に即して書くから先にこちらが来ますが、準備自体は1週間前から片手間でやっただけなので先に手を付けたのは筆記試験対策の方。

やったのは

  • 卒業研究の内容及び進捗を1分程度で話せるように圧縮
  • 現在の所属とは異なるラボを志望しているため、その理由の言語化(出来るから転ラボ決めたんだけど、パッと聞かれて落ち着いて頭から理路整然と答えられるかはまた別なので念の為)
  • 卒研で使ってる分析機器の原理等の把握
  • 卒研の先行研究/関連知識の整理

といったところ。とはいっても、後半3つなんて元から出来て当然のことなので準備といった程のものでもなかったですし、1分圧縮も丁寧な説明から取捨選択さえすれば終わりだったのでまぁ、はい。

筆記試験対策

何だかんだちゃんとやったなぁ(自画自賛)。

物化/無機/有機の3問構成で、試験終了時に2問を選択、それだけが採点されるという謎システム。アホくさって言ってたけどネタバレするとこの制度のお陰で本番は助かったんですよね

なので、スコアアタックするなら最初から解く分野を2つ決めて集中する方が一応効率は良さそうで(なお選んでない1科目が簡単な年だと死)、普通にやるなら3分野ちゃんとやって本番の感触次第で選べば良いというもの。

まぁ私の場合無理にスコアアタックせんでも第一志望通るでしょ~ぐらいのノリだったので後者の作戦にしました。絞った挙げ句に解けない問題出されたら絶望でしょ。

やったのは

  • 東大応化過去問(2010~2021)を全て解いた上で解けた/解けなかったに関わらず教科書等で裏とり
  • ラボ同期に向けて過去問解説+周辺知識の確認

といったところ。ただ、面倒だったので2015~2020は基礎○○系以外しか本腰入れてないです。基礎○○系は暇つぶし用として気が乗らない時にやる気出すためにテキトーに触ったりしていただけ。

解き始めて感じたのは

  • 物化: 熱力学周辺が非常にマズイ(dU = TdS – PdV から怪しい)
  • 物化: 熱力学が死んでいるので続く電気化学系も怪しい
  • 物化: 量子化学はほぼ大丈夫(わからなかったのも教科書読んで追えば追いつく程度)
  • 物化: 反応速度論は神楽時代から触ってたから問題なし
  • 無機: 全体的に知識問題出たら詰み感満載
  • 無機: 錯体化学は任せろーバリバリ-
  • 有機: 概ね問題なし(わからなかったのも教科書読んで追えば追いつく程度)

といった感じ。

なので、熱力学辺りは丁寧に教科書に立ち戻って式の導出を自力で出来るようになるまでやって、無機は広く浅く㍂って言いながら適当やって、有機は暇つぶしに福山本A問題回したりしつつ、例えば Grignard 試薬の相手で生成物がどうなるかを再確認する程度の復習をしてました。

後、高分子の物理に関して全然出てなかったのでそろそろ来るかなぁ読みで復習してました。有機物性論の講義好きだったしね。でもよくよく考えれば関連する研究室は柏にしかないし向こうは新領域からメインで採ってるからほぼほぼ関係無かったね。試験終わってから気付いた。

1日目: 口述試験 - 或いは世間話

どこまで書いて良いのかわからないから(東大推薦入試の面接なんか情報口外厳禁! みたいな雰囲気だったけど今回はそんな案内聞いてない)、安牌とって当たり障りのないところだけ。

見知らぬ顔が沢山居ましたし半分ぐらいは外部受験生なんじゃないかな。受験生は殆どスーツでしたね。真夏にスーツなんか着せるんじゃないよ。いや着ろとは言われてないが。

70人程度(?)を6部屋で一人当たり十数分のスパンで回すので、後半になるとただただ控室での待機時間が長すぎる。せめて前後半で集合時間分けて❤ 私は2時間以上まってようやく面接が始まりました。あほくさ。

面接官は3人。思ったより少ない気もしましたが、受験者数多いし同時並行で6部屋で回してたからこれで限界という事かもしれない。そもそも修士院試の面接に重要性は然程無いという意味なのかもしれませんが。

ノックして返事待ってドア開けて「失礼します」って言ってドア閉めて促されるまま椅子に座って~と、どこでも同じルーチンの後、受験番号と氏名の確認を経て質問へ。

質問の内容は概ね

  1. 卒業研究関連事項の質問
  2. 志望研のこと/院でやりたいこと
  3. 修士卒後の進路(博士? 就職? ワイはニートになる! 人生は冒険や!)
  4. 不意打ち一般化学教養

の4分野のどれかに当てはまるといった感じでした。そらそうよ、といった感じの構成。

  1. 1分程度で自分の研究内容及び進捗の要約をするぐらいは準備していたので、1. に関しては恙無く済みました。
  2. 冒頭の通り、院では現在と別の研究室を志望していたので2. 辺りが一番話していて楽しかったところでした。単に「○○研に行きたい理由」だけでなく、「今の研究内容から変えるデメリットがあっても行きたい動機」まで説明できて初めて最低ラインになるので、B2辺りから自分で考えていたことをしっかり話す機会にもなって良かったですね。
  3. 馬鹿正直に「んなもん(生涯)研究で飯食っていきたいかなんてまだ半年も研究しとらんのに決められんやろ。修士の間で何とか決めるんじゃ」を敬語フィルターに10回ほど通したような答えを返しました。一人の面接官に「これは質問ではなく単なるコメントとして…」と前置きされて「話してる感じ研究好きそうだしドクター行きゃいいのに」を敬語フィルターに1回通してみたようなお話を頂いたので、リップサービスかなぁなんて疑念を抱くのも野暮ですしこれは素直に受け取ろうと思います。博士学生増やしたいからどうせ受験生全員に言ってるぞなんて言っちゃいけない。
  4. この質問内容を流石にそのまま書くのは憚られるのでボカしますが、まぁあまり得意ではない分野の話をブチ込まれて正直教科書的な完璧な解を知らない/覚えていないような質問もありました。「おっ…」となりながら数秒だけ黙って考えて、一先ず基礎的な(⊿G = ⊿H – T⊿S レベル)事実の部分を説明しながら頭を整理して、順当な推論を話し切ることで乗り切りました。乗り切れたことにしましょう。満足そうに「良いですね」と仰っていた面接官のアレはリップサービスかはたまた本心か。翌日の試験でその内容を出されて答えられないと情けないので帰って即調べましたが、まぁ私の口述回答でも良い線行ってたよねといった感じ。てか正解で良いでしょ。何とかなったわガハハ。

面接が終わってからは帰るだけ。私は流石にスーツ姿で帰ると暑いだろうなと読んでいたので、Yシャツと上着をカバンに突っ込んで予め入れておいた半袖シャツに着替えて帰りました。でもズボンの方が暑かった。やっぱスーツ文化滅ぼさないと……全世界ユニクロの感動パンツ文化にしといてくれ。あれ長ズボンの中では一番マシだから。

2日目: 筆記試験 - 或いは落書き

どうせ試験問題は応化の HP でそのうち公開されるし内容に言及しても問題ないでしょのノリ。

物理化学

時間だけとの勝負でした。

1問目はただ一言「Clausius-Clapeyron の式を導出せよ」で済む問題を1000倍希釈しただけ。嘘でしょ。
2問目は分子軌道の話。といっても出てくるのが等核二原子分子ばかりだったから楽しくなかった。院試対策で「出るかもなぁ~(絶対出ないわ)」って言いながら CH4 や NH3 の分子軌道を組む練習してたりしてたからその辺り出たら面白かったのになぁ。
3問目は自触媒反応の反応速度論を触ったことがないから一瞬だけ身構えたけど書いてあるとおりに式書けば済む話だったのでうーん。最後の問題は定性的にはどうせこうでしょとなるけど式……うーん……時間……ってなって軽めに流しちゃったのが少し後悔。他の論述でもっと浅く絞っとけば時間出来たかもなぁ。

無機化学

有機金属錯体をこれからも触っていくんだから出来なきゃなぁと思ってはいたよ。思っていただけ。なお。

1問目は思いっきり錯体化学の話。自分の領分だったので素直に書いて終了だったけど、最後の問題で色々書きすぎた感はあるのでもうちょい浅く収めるべきだったかもなぁ。1問目だけ切り取れば満点になってるはず。
2問目は NaCl 型結晶の話。ここで私は無機を捨てて物化+有機選択にする覚悟が出来た。単純に計算が面倒だしマーデルング定数って定義何だっけ? ってなったので大人しくヌルいところだけ軽く書いて有機への体力を温存する方針に。
3問目はモール法の話。IChO 代表候補選抜でこの辺りの紹介というか教科書のコピー渡されたなぁという記憶以外ない。2問目同様ヌルいとこだけ軽く書いてオシマイ。

有機化学

無機化学ズッコケたのでここで満点取らなきゃなぁと意気込んでいた。高分子の知識問題が全く出なかったので助かったよ。

1問目は酸性度等、構造 - 物性の繋がりについての基本的な話。書くだけ。
2問目は反応の話。生成物だけ書くのとかつまんないから反応機構を聞いて❤ exo 選択的 Diels-Alder 反応の話は東大だと学生実験でやるから既知だろうけど外部生そこそこ死んでそう。
3問目は実践的な合成に関する話。といっても出てる反応は学生実験程度のもので、どこぞのり○けみたいに全合成はテーマになってない。ボケーっとしてたらケトン含んだエステルのエステルだけアルコールに変換する経路を答える問題で初手から LAH ぶつけるボケをかましてた。気付いて先に保護基ブチ込んだからセーフ。

最後に - 或いは正直な感想

👨『D進しろ』
🌙「っ…!!」
🌙「大学院っていつもそうですね…! 学生のことなんだと思ってるんですか!?」


結局卒研で現在所属しているラボから別のラボへ進学するという形になりましたが、これが正しい判断だったかは今でも/今はまだわかりません。食べ盛りの小学生男子にカレーとラーメンどっちかだけ選べなんて酷なこと言ってもよう選ばんでしょ。でも数ヶ月、或いは考え方によっては2年間もしっかりと考え抜いた挙げ句の一つの解として提出したのだからどうなっても後悔はしないことにします。カレーとラーメンならとうに腐ってるような時間かけて考えたんだから。自分の選択なんだし自信持って良いでしょ。

東大推薦入試は受かったかどうか微妙なラインで合格発表の時もかなり気合入ってたけど、院試はどうせ受かってるでしょガハハな感触にしかならなかったせいで、合格発表のタイミングはラボで「溶けね~~~」って言いながらシュレンクチューブとにらめっこしてました。Dの先輩に「居室で皆院試結果見てるけど番号分からんから手空いたら来てね~」と呼ばれて(そういえば時間過ぎてんじゃん…)となりながら切り上げて見に行った次第。

人生決まるから安定した勝利を求めに行って間違いではないけれど、それはそれとして勝負事一般の話としてどうせ結果こうじゃろ~となってるのは面白くないんだなと再認識した。

合格発表の1時間ほど前にワクチン2回目接種したのでこれから死んできます。熱が下がったら Wi-fi 6 でも 5G でも何でも良いから受信出来るようになってるといいな。