けんふり!

というわけで

卒業研究のための配属志望先が中々決まらなかった話をしましょう。

私の置かれていた状況

私の所属する東大工学部応用化学科(以下「応化」)では、学部4年生時に応化所属研究室に配属されて卒業研究をすることになります。

配属先については、学科側からは「学生間で話し合って決めてね」ということになっていて、実際に決める際にはざっくり言えば "一定以上の成績上位層に優先権を持たせた上で他は希望を考慮した抽選" になります。この配属先振り分けを俗に "研振り" と呼びます。

どうせなら抽選とかで心理戦に巻き込まれずに成績パンチで優先権取って行きたいとこに何も考えずに行けたら良いよね、という話で。何だかんだのほほんとやっていたら、いつの間にか "実質的に自分の選んだ研究室に確定で配属される順位" になっていたので、後は研振りまでに行きたい研究室を決めれば良かったわけですが………

進振りで応化に来たのってまぁ推薦だったからというのもありましたが、決め手は UROP で遊びに行った研究室が肌に合っていてそこは(広義)応化所属だからでして。そこが卒業研究配属先候補に有れば悩むこと無かったんですけど候補に入ってなかったんですね。院生からしか行けない所で(外部から B4 時に研究実習生とかで来てる人は見るけど)。進振り時にもそれは把握していて、まぁ応化に行っとけばそのまま院試対策もしやすかろうし良いでしょ、というぐらいのノリで。

一番行きたかったとこに卒研では行けないとなると、B4 ではどこに行くの? って話になって。

個人的な基準

凄く大雑把に言ってしまえば「居て楽しいとこ」が選びたくて、それで決められれば良いなぁと3S頃までは思っていました。当然そんなガバガバ基準なんて応化なら大抵の研究室がパスしてしまうので決まるわけもなく。

それで秋頃から少しずつ、求めるものに優先順位をつけていった感じで。興味の薄いバイオ系とかを予め除いた上で、他の研究室間で差を出すための基準として色々考えた中で、結局私に一番効いてくるのは

  • 自由度が高いこと

でしたね。「アレやれコレやれ」言われてやるだけなのは面白くないですし、多少なりとも自分で時間を管理して研究の展開を考えて方針を提案できて~ってやるのが推奨されるような、そういった環境が欲しいなぁとなりました。「自立/自律出来るなら好きにやってね」って感じの。放任主義ってやつでしょうか。なので、コアタイムとか(ほぼ)博士進学前提みたいな所はかなりマイナスに見ていたりしました。研究アレだなってなったら修士卒で出るかもしれないのでその障害がある所には行きたくないやって。

次点で

  • 教授の退官時期が近すぎないこと
  • 研究室の雰囲気が良いこと
  • 毎年1人以上はD進していること
  • 設備云々が不自由ないこと

辺りも気になる点ではありましたが、退官時期に関しては丁度今応化の研究室の世代交代の時期(もうほぼ交代終わり)で退官近かった先生方は大体もう既にリタイアして、新しい研究室が立ち上がってきていたので問題にはなりませんでした。他についても、候補となる研究室は多かれ少なかれパスしていたので差別化は叶わず。

こういった事を考えたり考えなかったりしながら、気になる研究室には実際に研究室見学に行ってたりしたので次はその話をしましょう。

研究室見学

事前準備

研究室見学をするに当たってしてたことのリスト。

本当の最初に

研究室見学自体はB1の時から機会あれば行ってましたが、卒研に向けてってのは始めてだったので色々と戸惑いもありました。上級生に知り合いも居ないので(うーん……)ってなってましたが、以前書いたちょっと真面目な記事
sgya-youtoo.hatenablog.com
に反応を下さったDの方と FF になってたので、DM を送らせて頂いてアドバイスを頂き、参考にしてました。

予習

そもそも然程興味のない研究室に見学に行ってもお互いにアレなので、そうならないためにある程度は勉強していきましょう。

最低限、研究室 HP の研究紹介の欄に目を通しておけば問題無いのかなぁとは思います。かなり平易に噛み砕いて書かれていることが多いので、読むのに時間かかりませんし。

私はもうちょい色々見ておきたかったので、その研究室から直近で出ている論文の中から面白そうなのを幾つか選んで目を通しておきました。当然よく分からない点が多々出てくるので、それをメモった上で教員の方が一通り研究紹介をし終わった辺りで「この前コレ読んだんですけどココが良く分からなくて~」みたいな感じで直接不明点を聞く感じで。他人との会話がそこまで上手くはない私にとっては所謂 "会話デッキ" の構築にもなったので割と良かったですね。また、基本的に教員の方の研究紹介は研究室 HP に載っている程度の範囲で終わってしまうので、論文の内容から話を深く掘り下げていくことでその方が何を考えて / やりたくて / 狙って / 強みとしているのかが聞けるのも良い点の一つです。あと、自分の研究について突っ込まれると全員楽しそうに話をしてくださるので、こっちも楽しいですしね。

質問リスト

人との会話が得意で、大事なことも忘れずに遂行出来る人なら要らないでしょうが。

確認しておきたい事項も沢山ありましたし、聞き忘れると悲しいので、リスト形式にまとめておいてそれを見ながら教員の方や先輩方に質問していきました。

事前調査も質問リストも、会話デッキを揃えておく感じなのでやっておいて損は無いでしょう。

参考までに、私の質問リストを軽く書いてみると、

to 教員

  • 研究内容
  • 卒研内容の決め方
  • 学生に求めていること

to 所属学生

共通

  • 卒研の1年の流れは?
  • 研究していて楽しかったこと | 辛かったこと
  • ゼミとかってどんな様子?(輪講 | 論文発表 | 使用言語…)
  • 卒研配属までにやっておくべきこと

といった感じ。

日程調整

教員の方にメールして、研究室見学の日程を調整しました。メアドは研究室の HP に書いてあるので探しましょう。

一応「研究室見学 方法」とかで調べると、文面例まで載っているページが色々と出てくるので、書けない~って人はその辺りを参考にしつつ書けばいいと思います。

  • 件名
  • 自己紹介
  • 研究室見学の意思
  • 日程調整の具体的内容

辺りをちゃんと書いてあれば大丈夫でしょう。

メールの返信速度・対応でも各教員間の個性が出てくるので色々参考になりましたね。

そういえば、研振り本番直前期に行ってた人も居たらしくて結構ビックリしましたね。年明け~2月って学部入試 / 卒論 / 修論……の大詰めの時期で教員も皆忙しそうだから大分早めの12月中に済ませるようにしていたので。

研究室見学当日

自分でやることを全て決められる事前準備に対して、当日に関しては案内役をしてくださる方(教員の方の場合も先輩方の場合も)次第なので特に書くことはないです。行ってその場のノリで良い感じにするだけですね。

研究ごっこ

研究室から出ている直近の論文を読んで、そこから新規性……はともかく、自分なりに新しい展望を考えていって、その過程が楽しい方に行けば良いのでは説がありました。

これ、実は UROP で行った研究室では UROP 中盤~終了してからも勝手に個人でやっていてそれなりにテーマが確立するところまで出来たので同じノリでやれば良いや、と思っていたのですが……流石にちゃんと研究室で直接実験・内容を教えてもらいながらやった過程で色々と発想を膨らませられた時とは違って、ただ論文見て「じゃぁどうしますか?」と問われても発想が全然膨らまないわけで。

コレに関しては殆ど進まなかったので諦めました。配属されてからでいいや。

学部・院の先

研究室ってそこから卒業した後にも結構効いてくるよねっていうアドバイスを貰ったのですが、当初の私にはこの観点が抜けていました。

要は、アカデミアに残るの? 就職するの? それはどの時期? って感じで。

私としてはアカデミアに残る選択肢を採る可能性は低めだったので、遅かれ早かれ就職の道を選ぶだろうなとなって。そうなると、行った研究室の分野がその後の職務内容にも関わってくるわけで。なので、迷っているのであれば「どういった分野で働きたいか」を考えてみれば? とのこと。

コレを考えるために今まで見向きもしなかったような就職関連のコーナーから化学業界の本を一冊買って読みましたが、まぁどっち行っても何とかなるやろ~にしかならない程度の知能だったので意味があったかと言えば……。それでも、近い将来の事を決めかねているのであれば一旦少し先も見てみるというのは良い案だなぁと感じたので、コレで救われる人が居ればなぁと。

志望先決定

上記の手順で2候補にまでは絞れましたが、何だかんだで研振り本番(2月中旬)直前までどっちにするかで迷っていました。一つは触媒系(本郷)、他方は MOF - 高分子系(柏)。

結局、院で先述の研究室(駒場)に行く可能性が高い事を踏まえると、柏に行くなら引越ししておきたいけど1年スパンで引越しするのもなぁ……という感じで触媒系の研究室に決めました。院とは全然違う分野に学部で触れておくのも魅力的ではありましたし、柏は環境自体は本郷と比べ物にならないぐらい好みだったので本当にどっちも良かったのですが。

成績パンチのお陰で周りの志望の様子を伺わなくて済んだだけ楽だった気もしますね。

最後に

卒研楽しみですね。どうなるかな。楽しい研究が出来たら良いな。

後、これは研振りの裏方で結構色々やってた立場からの感想ではありますが、少なくとも今年の弊学科においてはこんなに真面目に研振り先を考えてるのなんて極少数だったんだろうなぁというお気持ちなので、コレを読んだ後輩諸氏もそんなに力まずに気が向く範囲でやればいいと思います。多分私は真剣にやり過ぎた(やり過ぎて損な事はないからいいけど)。優柔不断なだけか。

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